アマチュアボクシング経験をバックボーンにプロボクシング転向するボクサーが増えてますが、ボクシングエリート堤兄弟の次男「堤 駿斗(つつみはやと)」選手もその一人。
2016年世界ユース選手権(フライ級)で日本人初の優勝を果たし、「アマ13冠」という鳴り物入りでプロ転向した堤 駿斗(つつみはやと)選手。プロボクシングでも期待を裏切らない快進撃を見せています。
本記事ではアマチュアボクシングを極め「第2の井上尚弥」「ネクストモンスター」と注目される天才ボクサー「堤 駿斗(つつみはやと)」選手の強さや魅力を徹底紹介していきます。
堤 駿斗(つつみはやと)プロフィール
堤 駿斗(つつみはやと)
生年月日 | 1999年7月12日 |
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出身地 | 千葉県千葉市 |
身長 | 171cm |
ファイトスタイル | オーソドックスのボクサーファイター |
格闘技のバックボーン | 極真空手/キックボクシング |
堤駿斗(つつみはやと)選手は兄の堤勇斗さんの影響で5歳から極真空手を始め、小学5年生でボクシングの道へ。今では想像が付きませんが当時の堤駿斗選手は「小さい頃は泣き虫で気が弱かった、格闘技をすることで気持ちも強くなれたなと思います」と語っています。
はじめの3年間はキックボクシングとボクシングを並行してやっていたとのことで、少年時代の堤駿斗選手は「キック界の神童」那須川天心選手と同じチームで練習していました。
それが天心選手のお父さんが率いる「TEAM TEPPEN(チーム・テッペン)」で、初期メンバーは那須川天心選手と堤駿斗選手の2人だけだったとのこと(「TEAM TEPPEN」では2~3年練習)。
その後、堤 駿斗選手がボクシングの道を選んだ理由は「自分が本当に楽しいなと思える方をやりたいと思っていた。ボクシングは技術戦でそれが僕の中では本当に楽しく感じて」と語っています
その後2016年(当時17歳)で日本人初の世界ユース選手権優勝、アマチュアボクシングで驚異の13冠を達成。
堤駿斗選手は大学進学後は東京オリンピックでボクシング金メダリストを目標にしていましたが、アジア・オセアニア予選でまさかの一回戦敗退。コロナ禍の影響で最終予選も中止になり、東京オリンピック出場を諦めプロ転向の道を選びます。
ここからは堤駿斗選手のプロボクシング転向までの道のりや、世界レベルのボクサーから見た堤駿斗選手の評価などを見ていきましょう。
【アマチュア13冠】堤駿斗(つつみはやと)のアマチュア&プロボクシング戦績
堤駿斗(つつみはやと)選手のアマチュア&プロボクシング戦績を紹介します。
堤駿斗(つつみはやと)選手は中学2年生からアマチュアボクシングの大会に出場、アマチュアで通算94戦し驚異の13冠を成し遂げています。
堤駿斗選手は2022年4月にプロボクシングに転向しています(プロデビュー戦は7月13日)。
- アマチュアボクシング:94戦88勝(26KO・RSC)6敗
- プロボクシング:2戦2勝
ちなみにプロ転向後はフェザー級で試合している堤駿斗(つつみはやと)選手ですが、2023年5月31日に行われる予定のプロ3戦目が「東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ」と期待の高さがうかがえます。
しかも堤駿斗(つつみはやと)選手がこのタイトルマッチに勝った場合、階級は違えど「元ミニマム級世界王者」田中恒成選手や「ボクシング五輪メダリスト」清水聡さんに並び日本男子ボクサーとして最速の東洋太平洋王座獲得になります。
堤駿斗選手は田中恒成選手のプロ5戦目での「最速でのボクシング世界王座獲得」にも並ぶ可能性もある
堤駿斗(つつみはやと)の獲得タイトル
アマチュアボクシング(13冠)
- 第70回国民体育大会少年の部(フライ級)優勝
- 第28回全国高等学校ボクシング選抜大会(フライ級)優勝
- 平成28年度ASBCアジアユース選手権(フライ級)優勝
- 平成28年度全国高等学校総合体育大会(フライ級)優勝
- AIBA世界ユース選手権(フライ級)優勝(日本人初の世界ユース選手権優勝)
- 第29回全国高等学校ボクシング選抜大会(フライ級)優勝
- 平成29年度ASBCアジアユース選手権(バンタム級)優勝
- 平成29年度全国高等学校総合体育大会(フライ級)優勝
- 第72回国民体育大会少年の部(バンタム級)優勝
- 第87回全日本選手権(バンタム級)優勝
- 第1回山根杯争奪戦(バンタム級)優勝
- コンスタンチン・コロトコフ記念国際トーナメント(57kg級)優勝
- 第89回全日本選手権(57kg級)優勝
プロボクシング
2023年5月31日 東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ「堤 駿斗 vs ジョーサンティシマ」これに勝てばプロ転向最速での王座獲得になる。
堤駿斗(つつみはやと)のボクシングスタイルと強さ
堤 駿斗(つつみはやと)選手のボクサーとしてのファイトスタイルはどの距離でも闘える万能型で「ボクサーファイター」タイプ。「当てさせずに当てる」スタイルで削っていき、最終的に仕留める詰将棋のようなボクシングが魅力です。
ボクシングのファイトスタイルには大きく分けて3種類あり、
- 近距離での打ち合い(インファイト)が得意な「ファイター」
- フットワークで距離をコントロールし打たせずに打つ「ボクサー」
- 状況に応じてインファイトもアウトボクシングも両方できる「ボクサーファイター」
堤 駿斗(つつみはやと)選手は試合展開や相手の反応に応じて距離をコントロールし、近距離と中間~遠距離を使い分けます。攻めと守りが一体となったような綺麗なボクシングで魅せてくれるボクサーです。
堤 駿斗(つつみはやと)選手の試合を観るとオーソドックスで基本に忠実なボクシングスタイルながら、ジャブやフットワーク・出入りのスピードなど一つ一つの動作がハイレベルに行われています。
また、試合展開に応じて近距離・中間距離・遠距離と距離をコントロールし、ディフェンスとオフェンスがシームレスに連動されており「攻防一体」に試合を支配していくのも特徴的。
堤駿斗選手は自身のボクシングについて「相手の距離感を支配していって、相手のやりたいことを潰しながら倒す」と語っています。
- ガードが固いがガードに頼らず、バックステップやサイドステップなど距離で相手のパンチを外し攻撃をもらうことが少ない「ディフェンス能力」。「当てさせずに当てる」堤駿斗選手のボクシングの要
- ノーモーションのジャブ&フットワークでけん制&距離をコントロール、一気に間合いを詰めコンビネーションをまとめる「オフェンス能力」。パンチもコンパクトかつ重さを感じさせる
- パンチをブロッキングした後のボディ打ちのリターンの速さがヤバい、相手の打ち終わりのタイミングで素早くボディをえぐり効かせる
- 序盤から最終ラウンドまでパフォーマンスが落ちない「スタミナ&集中力」
- 詰められても冷静に回避する「冷静な判断力」
プロ転向して間もない23歳のホープながら、すでに完成度の高いボクシングスタイルを見せる堤 駿斗(つつみはやと)選手。アマチュア13冠とアマチュアボクシングを極めた実績と「井上尚弥2世」の異名は伊達じゃありませんね。
階級が違うので単純に比較はできないものの「井上尚弥2世」と何かと比較される堤駿斗選手。しかし両者のファイトスタイルはまったく異なります。
堤駿斗選手は井上尚弥選手のように爆発的なパワーでKOするスタイルではなく、テクニックや試合運びで魅せるタイプのボクサー。
自分は当てさせず相手にダメージを与えていき、倒せるチャンスを待ち仕留める。終始自分のペースで試合を支配していくボクシングを見せてくれます。
すでに多くのボクシングファンからプロップスを得ている堤駿斗選手ですが現状に満足はしておらず、
- 「試合を観に来て下さるお客さんがどう思うかなので、プロとして見せ場は作らないといけない」
- 「タイミングだったり自分のひとつの武器であるボディ打ちはさらに強化していきたい」
と語っています。今後堤駿斗選手のボクシングがさらに進化してプロの舞台でも「KOするボクシング」になっていく可能性もありそうです。
堤駿斗(つつみはやと)のボクシングの強さ│プロボクサーから見た評価
世界レベルのプロボクサーや現役引退したレジェンドボクサー、ボクシングトレーナーから見た「堤駿斗のボクシング」の評価を見ていきましょう。
内山高志
- 「堤駿斗(つつみはやと)選手はとにかくテクニックが凄い、ダントツに抜けて凄いです。世界チャンピオン以上のテクニックを持ってる」
- 「上下の打ち分けも上手いし、相手のパンチを貰わないところが一番すごい」
- 「ブロックした後のリターンの速さタイミングが速くてボディ打ちが凄くいい。一流だね、超一流」
- 「世界チャンピオンは確実に獲る。不動の世界チャンピオンになってほしいね」
- 「一度KOすると倒すコツが分かってくる、そこからはKO量産すると思う」
イスマエル・サラス
イスマエル・サラスはボクシング界の名伯楽(トレーナー)として有名で、自身もキューバのアマチュアボクシングで46勝を上げている。これまで世界王者を19人輩出しており、トレーナーとして関わった世界王者には
- ギレルモ・リゴンドウ
- ホルヘ・リナレス
- 井岡一翔
などそうそうたる面子が名を連ねています。
プロ3戦目「堤駿斗 vs ジョー・サンティシマ」に備え行われたラスベガス合宿にて、イスマエル・サラスは堤駿斗選手について「彼は才能が素晴らしい、必ず良い世界チャンピオンになるよ」と絶賛。
また「サラス・ボクシングアカデミー」のトレーナー、フェルナンド・ディアスも「彼は素晴らしい、パンチがシャープで力強く頭もいい。特にパンチ力が左右とも強く、強いパンチを長いラウンド打ち続けるスタミナもある」と非常に高い評価をしています。
和氣慎吾(わけしんご)
元東洋太平洋&日本スーパーバンタム級王者の和氣慎吾(わけしんご)選手は堤駿斗選手とのスパーリングを経験しており、
- 「これまでスパーリングしたなかで堤駿斗選手が一番強かった」
- 「(堤駿斗とのスパーリングでは)何もさせてもらえなかった」
と堤駿斗選手の強さを振り返っています。また、現在和氣慎吾選手はフェザー級で試合をしており堤駿斗選手とは同階級。「階級は変えてほしい」と冗談半分で語っています。
堤駿斗(つつみはやと)と那須川天心は幼馴染(幼なじみ)で同じジムで練習していた
堤駿斗(つつみはやと)選手は長男の堤勇斗さんの影響で子供の頃から極真空手を習っていましたが、小学5年になりキックボクシングジムに通い始めます。当時堤駿斗選手は那須川天心選手と同じキックボクシングジムで練習を共にしていました。
「第2の井上尚弥」堤駿斗選手と「キック界の神童」那須川天心選手は幼なじみ
現在では那須川天心選手は天心選手のお父さんが経営するジム「TEPPEN GYM(テッペン・ジム)」所属ですが、かつては天心パパが「TEAM TEPPEN(チーム・テッペン)」というチームを作り体育館で子供たちに練習を教えていたとのこと。
「TEAM TEPPEN」の初期メンバーはたった2人で、その2人は少年時代の堤駿斗選手と那須川天心選手。かつて体育館で共に練習していた少年2人が今や日本ボクシング界で最も注目を集めているなんてドラマチックすぎますね。「TEAM TEPPEN」ヤバすぎます。
ちなみに2023年4月8日に那須川天心選手はボクシングデビュー、ボクシング関係者からそのポテンシャルを絶賛されています。堤駿斗選手はフェザー級で天心はスーパーバンタム級と階級は異なるものの近い階級。
「ボクサー那須川天心との試合が組まれたらどうする?」との質問に堤駿斗選手は「やりたいです」と答えています。幼なじみとしてのリップサービスかもしれませんが「堤駿斗 vs 那須川天心」の天才対決が観られる日がいつか来るかもしれませんね。
【堤駿斗】井上尚弥のスパーリングパートナーを務め互角に渡り合う
堤駿斗(つつみはやと)選手はプロボクシング転向前に「4団体統一王者」井上尚弥選手のスパーリングパートナーを務めた経験があります。
井上尚弥選手と堤駿斗選手は階級が違いましたが(当時井上尚弥がバンタム級/堤駿斗がフェザー級)、「モンスター同士のスパー」としてボクシングファンの間で話題になりました。
井上尚弥選手と堤駿斗選手のスパーリングは、井上尚弥選手がWBSS(ワールドボクシングスーパーシリーズ)準決勝「井上尚弥 vs エマヌエル・ロドリゲス」へ備えて行われています。
この大一番へ向けてのスパーリングパートナーに選ばれる時点で「井上尚弥が堤駿斗を世界レベルのボクサーとして高く評価している」ことの表れといえますね。
堤駿斗選手は井上尚弥とのスパーリングの感想を
- 「これ以上ない駆け引き」
- 「少しでも油断すると一気にやられてしまう圧力のなかスパーリングさせて頂けて本当に勉強になりました!」
と語り、井上尚弥選手へのリスペクトを送っています。
ボクシング世界3階級制覇王者&4団体統一王者(バンタム級)の井上尚弥選手から見た「堤駿斗選手の評価」も気になるところ。
井上尚弥選手は堤駿斗選手とのスパーリング後、
- 「日本で一番反応速度が良い」
- 「(堤駿斗選手との)スパーは一瞬たりとも気が抜けない緊張感でどっと疲れた、ありがとう!」
と絶賛しています。
井上尚弥選手が絶賛していることからも、プロ転向前のスパーリング時点で堤駿斗選手のボクシングががすでに世界レベルだったことがうかがえます
いずれ「井上尚弥 vs 堤 駿斗」が実現するかも?
現時点では井上尚弥選手はスーパーバンタム級に転向したばかり、一方の堤駿斗(つつみはやと)選手はフェザー級と1階級異なる両者。
しかし井上尚弥選手がスーパーバンタム級で2階級制覇を成し遂げた場合、堤 駿斗(つつみはやと)選手のいるフェザー級に階級アップする可能性も考えられます。
そうなると「井上尚弥 vs 堤 駿斗」という黄金の対戦カードがいつか実現するかも?
両者は所属ジムは違えどかなり友好的な関係なので対戦を避ける可能性もありますが、新旧天才同士の対決はボクシング界が間違いなく熱狂する夢の対戦カード。いつか天才ボクサー同士が交わるのを期待しましょう。
【堤駿斗】東京オリンピック代表を断念、プロボクシング転向
高校ボクシング6冠を達成し世界ユース選手権を制した堤駿斗(つつみはやと)選手。東洋大学進学後は東京オリンピックでボクシング金メダルを目指していましたが、2020年3月に出場したアジア・オセアニア予選でまさかの一回戦敗退を喫してしまいます。
その後コロナ禍の影響で最終予選が中止になり、東京オリンピック出場の道を断念。堤駿斗選手は次のオリンピック(2024年パリ五輪)を待たずプロボクシング転向の道を選びます。
堤駿斗選手はプロ転向について
- 「弟(堤麗斗つつみれいと)がパリオリンピックに出場する前に、僕がプロで世界王者になって弟に刺激を与えたい」
- 「世界王者になることは前提、ボクシングテクニックでファンを魅せるような試合をしたいです」
と語り、プロ転向して2年以内に世界王者になることを宣言。
プロボクシングではスーパーバンタム級かフェザー級の選択肢があり、堤駿斗選手はフェザー級を選んでいます。
成長してアマチュアボクシング時代よりフレームが大きくなったことが理由かも
現時点では階級が異なるものの「(井上尚弥選手との試合は)今は大きなこと言える立場じゃないですが、井上尚弥さんを目標にしたい」と「ボクシング界のモンスター対決」を意識している発言もしています。
堤駿斗選手はプロ転向に伴い所属ジムを志成ボクシングジムへ。志成ボクシングジムには
- 「日本人男子ボクサー初の世界4階級制覇王者」井岡一翔(いおかかずと)選手
- 「元WBC世界フライ級王者」比嘉大吾(ひがだいご)選手
といった世界レベルのボクサーが所属。
ちなみに井岡一翔選手は「駿斗やから超難しいレベルのアドバイスもしてる、俺でもできない」と語っており、この一言からも堤駿斗選手のボクシングセンスの非凡さが伝わりますね。
堤駿斗(つつみはやと)がABEMAとスポンサー契約│ボクサーとして初の契約&独占配信
2023年5月11日、堤駿斗(つつみはやと)選手がボクサーとして初の「ABEMAとのスポンサー契約」を結びました。1年契約となり、堤駿斗選手のボクシングの試合は今後ABEMAで独占配信される予定。
すべての作品が見放題【ABEMA】ABEMAとのスポンサー契約とした堤駿斗選手のコメント
- 「ABEMAさんとスポンサー契約させて頂きました。これを機に多くの人にプロボクサー堤駿斗を知ってもらえるように精進いたします」
- 「プロボクシング2戦しかしていない自分と独占契約して頂いて光栄、気が引き締まります」
- 「まずは5月31日に東洋太平洋フェザー級王座戦が控えてるので頑張ります」
堤駿斗選手は5月31日の東洋太平洋フェザー級王座戦「堤駿斗 vs ジョー・サンティシマ」を勝利すれば、日本最速(プロボクシング3戦目)での東洋王座戴冠となります。
堤駿斗選手はジョー・サンティシマ戦に向け1か月半のアメリカ合宿を行い、WBCスーパーフェザー級2位のパブロ・ビセンテ(キューバ)など同階級の強豪ボクサーとのスパーリングを敢行したとのこと。パブロ・ビセンテはプロ戦績23戦21勝(16KO)1敗の超強豪。
このスパーリング合宿にて堤駿斗選手は「世界ランクの実力になってきた実感があります」と自信を感じさせるコメント。
また、自身のボクシングスタイルについて「1発で倒すタイプではないけどKOがないのは課題、そこもアメリカ合宿で取り組んできた」と語り、今後はKO勝利にも期待がかかります。
【堤駿斗】プロデビュー戦からいきなり8回戦でフィリピンボクシング王者と対戦
2022年7月13日プロデビュー戦「堤駿斗 vs ジョン・ジェミノ」3-0判定勝利を収める。堤駿斗選手のプロデビュー戦はA級ボクサーデビュー/8回戦と特例で行われ、デビュー戦から8回戦で試合するのは史上9人目。堤駿斗(つつみはやと)選手への期待値の高さがうかがえます。
対戦相手のジョン・ジェミノ選手はフィリピンのボクシング王者でスーパーバンタム級とフェザー級の2階級制覇しているハードパンチャー(堤駿斗選手と試合時、ジョン・ジェミノは東洋太平洋ランカー)。
堤駿斗選手は慣れない薄さの8オンスグローブで試合中に両拳を負傷するも8Rを闘い抜き判定勝利
- 「8オンスは今まで(アマチュア)にはない痛み。プロボクシングの厳しさを教えられた」
- 「距離感など自分の持ち味は東洋太平洋ランカーにも通用すると分かって自信になりました」
とプロデビュー戦を振り返っています。
【堤駿斗】プロ2戦目で前級東洋太平洋王者ペテ・アポリナルと対戦
堤駿斗選手のプロ2戦目は前東洋太平洋スーパーバンタム級王者ペテ・アポリナルとのフェザー級での対戦。
ペテ・アポリナルは前戦で「元K-1王者で大橋ジムの秘蔵っ子」武井由樹(たけいよしき)選手と対戦、武井由樹選手はこの試合で東洋太平洋スーパーバンタム級王者になっています。
武井由樹戦からフェザー級へ階級アップしたペテ・アポリナル。プロ2戦目で対戦するには強豪すぎる相手
堤駿斗選手が6Rに左フックからのラッシュでダウンを奪い3-0判定勝利しています。堤駿斗選手はこの勝利でプロボクシング東洋太平洋フェザー級3位にランキング。
プロボクシング3戦目で東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ|最速でアジア王座獲得へ
2023年5月31日に堤駿斗(つつみはやと)選手のプロ3戦目「堤駿斗 vs ジョー・サンティシマ」が発表されています。ジョー・サンティシマ(フィリピン)は東洋太平洋フェザー級4位ランカー。
堤駿斗(つつみはやと)選手はこの試合に勝利すれば日本男子ボクサーとして最速での東洋太平洋王座獲得になります(これまでは田中恒成選手と清水聡選手がプロ4戦目で東洋太平洋王座獲得しており最速記録)。
ジョー・サンティシマ(26)はWBOオリエンタルスーパーバンタム級王者で、ボクシング戦績27戦22勝(19KO) のハードパンチャー。KO率の高さがえげつないです。
堤駿斗選手はジョー・サンティシマ戦について
- 「アメリカで世界タイトルにも挑戦していて経験も豊富な選手ですが自分のボクシングができれば必ず勝てる」
- 「目標は世界チャンピオンで将来の夢がパウンド・フォー・パウンド1位。いい内容で勝って次のステージに進みたい」
と意気込みを語っています。
「堤駿斗 vs ジョー・サンティシマ」試合結果│堤駿斗が3-0判定勝利し、最速で東洋太平洋フェザー級王者に
「○堤駿斗 vs ジョー・サンティシマ×」堤駿斗が3-0で判定勝利
プロ転向3戦目で「東洋太平洋フェザー級王座」を獲得し、堤駿斗が日本男子ボクサーとして最速での東洋太平洋王座獲得記録を達成した。試合内容的にもアメリカで世界戦経験のあるジョー・サンティシマを相手に圧倒的な差をつけている。
1R ジョー・サンティシマがプレッシャーを掛けていく、堤駿斗(つみはやと)はサークリングで距離を外しつつ左ボディストレート・左ジャブでジョー・サンティシマの勢いを止めていき、コーナー際ではポジション入れ替えで詰めさせず。
ラウンド終了間際、ジョー・サンティシマの右ロングフックが堤駿斗にヒット。堤は左まぶたの辺りが薄く腫れているも大きなダメージはない様子。
その後のラウンドもジョー・サンティシマが前進しプレッシャーを掛け、堤駿斗がフットワーク&ステップでクリーンヒットさせず素早いリターンでサンティシマを削っていく展開が続く。
7R ジョー・サンティシマはやや疲れが見えモーションの大きいパンチが増え始めている、堤駿斗の左ジャブがヒットする場面が目立ちリターンの左フックでサンティシマの顔面を捉える。
8R終了時ジャッジ3名とも堤駿斗に付け6ポイント優勢
9R ジョー・サンティシマは前へ出るも堤駿斗に距離を支配され捉えきれず。しかし中盤にサンティシマの左フックがヒット。堤駿斗はサークリングしつつ立て直しボディへ突き刺すジャブ、左ジャブ、リターンの右ストレートを返していく。
10R ジョー・サンティシマはスタミナが削られてる印象で前傾になりながら大振りのフックを振るっていく、中盤で堤駿斗がショート右アッパーをクリーンヒットさせサンティシマの顎を浮かせる。
12R 堤駿斗がボディで削りサンティシマのガード越しにコンビネーションを叩き込み優勢、その後も左ボディ右ボディアッパーと多彩な角度からのボディブローを連続でヒットさせジョー・サンティシマの身体がくの字に曲がる。しかしサンティシマはダウンせずリターンを返していき最終R終了。
ジョー・サンティシマに大差を付け判定3-0で堤駿斗がプロ3戦目を勝利。デビューからわずか10カ月プロ転向3戦目で「東洋太平洋フェザー級王座」を獲得し、堤駿斗が日本男子ボクサーとして最速での東洋太平洋王座獲得記録を達成した。
「第2の井上尚弥」堤駿斗(つつみはやと)まとめ
アマチュアボクシングを極め「アマ13冠」の鳴り物入りでプロ転向した、「ネクストモンスター」堤駿斗(つつみはやと)選手の強さや魅力を紹介しました。
堤駿斗選手はプロボクシングではフェザー級なので
- 「元4団体統一王者」井上尚弥
- 「元K-1王者の東洋太平洋王者」武井由樹
- 「キック界の神童」那須川天心
上記の選手たちと階級は異なりますが、近い階級なので今後交わることがあるかもしれませんね。それぞれ持ち味の違う天才ボクサーなのでもし試合することになれば…想像しただけでたまりませんね。
堤駿斗(つつみはやと)選手の活躍は今後も追記していくのでぜひチェックしてください。